上位校の状況
戸山の男子は、調査書の実技評定を2倍にすることになったH28年度入試から低倍率が続いていましたが、今春は大幅アップしました。女子もやや上がりましたがこれは学級数減による影響で、応募者自体は減っています。日比谷は男女とも前年度よりさらに倍率が下がっています。高い難度が避けられたのか、学校の人気自体に陰りが出てきたのかが注目されるところです。新宿は約30人、墨田川は約10人の応募減でそれぞれ倍率ダウンしましたが、これは例年の動きの範囲内といえます。
両国の男子は前年度に近年にない低倍率になったことから、反動で普通科男子の平均に近いところまで回復しました。女子も倍率は回復です。小松川の倍率アップは進学指導特別推進校に指定された影響というより、隔年現象によるものと思われます。(前年度の倍率が高いと次年度は敬遠されて低倍率になり、逆に前年度が低倍率の時はチャンスと捉えられて応募が増えるという傾向があります。その結果、高倍率と低倍率が1年置きに繰り返される「隔年現象」が生じることになります)。
北園は前年度の高倍率が敬遠されることなく、さらに応募者が増えて高倍率になりました。城東は応募者増の上に学級数減もあり、この5年間で最も高い倍率になりました。文京は東大に合格者を出したことが影響したのか前年度高倍率にも関わらず女子は倍率アップ、男子も反動は最小限に留まったようです。白鴎は隔年現象があり、今回は下がりました。上野は女子が20人増、男子は約30人減と明暗を分けましたが、男女とも普通科の平均倍率を上回る高い人気を確保しています。
中堅校の状況
江戸川は学級数増によって倍率は下がりました。深川は男女とも安定傾向です。注目校として挙げられるのが江北で男子約30人、女子は約10人増えました。H30年12月に完成する新校舎の人気もありますが、進学指導推進校として大学進学に対する期待も高まっているようです。男子の1.7倍台は過去にない高倍率、女子の1.4倍台は14年ぶりです。小岩と本所はともに、女子は倍率アップしていますが男子は下がっています。前年度が高倍率だったため、その反動が出たものと思われます。減った男子の多くは私立高校授業料助成金拡充の影響で私立へ流れたのではないかと思われます。
その他の学校
足立新田は人気のある学校で、H27年度から3年間一定の倍率を維持していましたが、今年度は男女ともダウンしH26年度並みの低い倍率になっています。葛飾野の男子は前年度がやや高めの倍率でしたが、今春はまた例年並みの応募者数に戻りました。女子は若干応募数が増えましたが、こちらも安定した入試状況が続いています。日本橋の男子は約50人減って定員割れし、過去最も低い倍率になりました。前年度が1.4倍台と高めだったため、篠崎や竹台に移ったのかもしれませんが、この2校も応募者は減っており、むしろ私立に流れたケースが多かったと思われます。南葛飾は高い人気があり高倍率になる傾向がありましたが、今年度は男女合わせて55人の応募減となり、一定の倍率は保ったものの男子はこの5年間でH27年度と並んで最も低い倍率、女子も1.7倍台まで下がって最も低い倍率になりました。